IT関連のベンダー資格
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IT関連の資格には、ベンダー資格、ベンダニュートラル資格、国家資格の3種類があります。 ベンダー資格とは、民間企業などが独自に認定している資格のことです。 ベンダニュートラル資格とは、ベンダー以外の審査機関が認定している資格のことです。 国家資格とは、国が公的に認定している資格のことです。
このページでは、Web系システムを開発しているIT企業への就職や転職に有利なベンダー資格、またはベンダニュートラル資格について説明しています。 国家資格試験について知りたい方は、「国家資格」をご覧ください。 IT関連の資格試験料や各種資格試験の申し込み等については、「IT資格比較一覧」で確認できます。
IT関連の資格は免許ではありませんので、資格を所持していなくても業務を行うことができます。 例えば、ベンダー資格には「マイクロソフト認定資格」が存在しますが、資格を所持していなくてもマイクロソフトのサーバーやデータベースに関する業務を行うことが可能です。
ベンダー資格試験の場合、特定の分野やベンダーのソフトウェアに限定して出題されることがほとんどです。 業務で特定のソフトウェアを利用する企業では、下記に説明しているベンダー資格より、特定のソフトウェアに関する資格の方が評価されることもあります。 しかし、ベンダー資格は国家資格と比較すると企業に評価されにくい傾向にあります。 資格取得により転職や就職を有利にすすめたいなら、転職先の企業に評価されやすい資格から取得した方が効率がよいでしょう。
せっかく資格を取得するのだから、有効に活用したいと考えていると思います。 実益に関する注意点としては、就職前に取得した資格の手当が支払われるケースがほとんどないことです。 就職後に取得すると、補助金や報奨金が支払われる資格もありますので、就職後のことも考慮して計画的に取得することをおすすめします。 また、資格試験の受験料は様々ですが、国家資格試験よりベンダー資格試験の方が比較的に受験料が高い傾向にあります。
■オラクル認定資格
オラクル認定資格は、試験の出題範囲がかなり限定されるので、比較的取得しやすいベンダー資格です。 下位資格なら認定試験の難易度もそれほど高くないので、IT業界が未経験の方でも教材で学習すれば取得可能です。 オラクル認定資格には、データベースの資格「ORACLE MASTER」やJavaの資格「Oracle認定Javaプログラマ」などがあります。
ORACLE MASTER
システム開発において、データベースを利用しないことは、ほとんどないと言ってもよいと思います。 オラクルデータベースは多数の企業が採用しており、データベース市場で常に高いシェアを獲得しています。 ORACLE MASTERは、IT分野に関係なく就職時に評価されることが多い資格と言えます。 なお、最上位のPLatinumやExpertを取得しても、コストに見合った評価が得られるとは限りません。 PLatinumやExpertに認定されるには、200,000円〜400,000円程度の要履修コースを受講する必要があります。 しかし、ほとんどの企業では、エンジニアの経験年数と資格を合わせて評価します。 PLatinumやExpertに認定されることで、高給で即採用ということはありません。 IT業界が未経験の方はSilverまで取得しておくと十分な評価が期待できるでしょう。
Oracle認定Javaプログラマ
以前は「Sun認定Javaプログラマ(SJC-P)」という名称でしたが、現在は「Oracle認定Javaプログラマ」と名称を変えています。 Java開発においては、知名度の高い資格です。 転職に生かしたいと考えている方には、アソシエイツより上位のプログラマの取得をおすすめします。 なお、Javaはサン・マイクロシステムズ社が開発していましたが、サン・マイクロシステムズ社は、オラクル社に買収されたことで完全子会社となっています。 認定資格の情報もオラクルのホームページで確認することができます。
■マイクロソフト認定資格
マイクロソフト認定資格(MCP、MCSEなど)は、マイクロソフト製品の技術的知識に関するベンダー資格です。 Windowsを使用したことがあれば、比較的簡単に取得することができます。 下位資格であれば、認定試験の難易度もそれほど高くありません。 上位資格を取得する場合は、複数の試験に合格する必要があります。 例えば、マイクロソフト認定システム エンジニア (MCSE)の場合だと、7科目のMCP試験に合格する必要があります。 1科目でも合格すればMCPと認定されるので、資格取得を始めようと考えている方は、まずMCPを取得してみてはいかがでしょうか。 資格取得により転職や就職を有利にすすめたい場合は、MCAより上位のMCPの取得をおすすめします。 Windows Serverに関する業務が発生する企業では、それなりの評価が期待できます。
Word、Excel、PoewrPointなどのOffice製品を対象とした資格には、マイクロソフトオフィススペシャリスト(Microsoft Office Specialist)があります。 マイクロソフト オフィス スペシャリスト(MOS)は、事務などを担当する場合は評価されます。 しかし、システムを開発するIT企業へのアピールポントにはなりません。 なぜなら、「Office製品は使えて当然」とIT企業側が考えているからです。
■シスコ技術者認定資格
シスコ技術者認定資格は、シスコシステムズ製品(ネットワーク機器)の技術的知識に関するベンダー資格です。 ネットワークに関する資格としては知名度が高く、企業にも評価されやすい資格です。 シスコ技術者認定資格は、エントリーレベル(CCENT)から、アソシエイト(CCNA)、プロフェッショナル(CCNP)、エキスパート(CCIE / CCDE)、最上級レベルのアーキテクト(Cisco Certified Architect)まで、5つのレベルで構成されています。 転職に生かそうと考えている場合は、CCENTより上位のCCNAの取得をおすすめします。 CCNAはネットワークエンジニアにとっては、登竜門的な資格に位置します。
IT業界が未経験の方は、シスコシステムズという会社名を聞いたことがないかもしれませんので、シスコシステムズに関して簡単に説明します。 シスコシステムズは、アメリカ合衆国カリフォルニア州サンノゼに本社を置く、コンピュータネットワーク機器開発会社です。 主に企業・電気通信事業者向けのネットワーク機器(スイッチやルーターなど)を開発しています。 企業・電気通信事業者向けネットワーク機器の市場において常に高いシェアを誇り、ネットワーク機器の開発において知名度が高い会社と言えます。 多数の企業がシスコシステムズのネットワーク機器を導入しています。
■LPIC
LPICは、Linux技術力の判断基準として国際的に認められているベンダニュートラル資格です。 IT関連の資格としては人気が高く、企業にも評価されやすい資格です。 難点としては出題範囲が広いことと、複数の試験に合格しないと認定されないことが挙げられます。 比較的に取得難易度が高い資格でしょう。 LPICにはレベル1からレベル3まであり、レベル1やレベル2ではコマンドに関する問題が多く出題されます。 LPI-Japanのホームページでは、実際の試験で出題されているようなサンプル問題が公開されています。 どのような問題が出題されるのか興味がある方は、LPI-Japanの「スキルチェックミニテスト」をご覧ください。
■XMLマスター
XMLマスターは、XML技術者育成推進委員会が認定している、XML及びXML関連技術についての技術力を測るベンダニュートラル資格です。 IT関連の資格としては人気が高く、企業にも評価されやすい資格です。 XMLは策定以来大きな変更がないので、XMLマスターも認定失効のない資格制度になっています。 XMLの基本をしっかりとおさえていれば、ベーシックを取得することは難しくないと思います。 他の資格と比較しても、取得しやすい資格といえるでしょう。 また、環境に依存しないXML自体の需要も高くなってきているので、実務に仕事で生かす事ができるかもしれません。 XMLマスターのホームページでは、実際の試験で出題されている様な、サンプル問題が公開されています。 XMLマスター認定資格試験の内容に興味がある方は、「サンプル試験問題」をご覧ください。