ブリッジSE
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ブリッジSEとは、ITのスキルだけでなく言語や文化など両国間(例えば中国と日本)のビジネス習慣を熟知し、間に立って円滑に業務を進められるよう指示できるSEのことです。 SEの能力に加え、プロジェクトマネージャーとしての能力、そして言語力が求められていることが分かります。 さらに、開発パートナーの指導、教育、管理が行える人材であれば、納期の厳守に加え、高品質なシステム開発が期待できます。
数年前まで、ブリッジSEとは、ソフトウェア開発プロジェクトで日本企業と外国企業(中国、インドなど)との間に入ってコミュニケーションの橋渡しをする外国人の責任者のことを主に指していました。 しかし、国際化にともなって、外国語が堪能な日本人技術者を外国に派遣するケースも増えてきており、日本人ブリッジSEの需要も高まってきました。 今では発注者でも受注者でもない第三者の企業の技術者がブリッジSEの役割を果たしたり、ブリッジSEを派遣する企業も出てきています。
■ブリッジSEに必要なスキル
1.受注側と発注側が使用する言語での会話力
2.受発注者双方の相互理解を図ることができるコミュニケーション能力
3.プロジェクト管理スキル
4.システムの設計・開発スキル
5.オフショア開発に関する実務経験
■中国人ブリッジSEの実態?
プログラム開発などを中国企業に委託(オフショア)した場合、中国人のブリッジSEが日本に来て常駐してくれます。 彼らの中には、システムの設計・開発スキルがあまりない人もいました。 また、日本語が上手ではない中国人も多数いました。 しかし、英会話は堪能で、日本語でもある程度は会話できたため、半年ほど常駐していると日常会話は問題なくなります。 システムの設計・開発・運用も定型業務が多いため、1年ほど経験すると慣れてきます。
彼らは日本でブリッジSEの経験を積んで、1年ほどして慣れた頃に中国へ帰っていきます。 中国企業は、日本で中国人ブリッジSEに実務経験を積ませて、ブリッジSEという人材価値を高めているわけです。 正直なところ、実務経験を積んで、スキルを習得して、使える頃になると帰るので腹が立ちます。 しかし、そういう契約なので仕方がないのです。
■まずは会話力!あとは経験を積む
中国企業がやっていることを考えると、英語や中国語が話せる会話力とコミュニケーション能力さえあれば、システムの設計・開発スキルがあまりなくても、ブリッジSEとして活動することができるでしょう。 最初はみんな初心者ということで、会話力さえあれば「GO!」という感じです。
日本語、中国語、英語などの会話力があるということだけで、実務経験が浅いブリッジSEに頼りすぎて、プロジェクトが失敗してしまうことも少なくありません。 現に経験が浅い中国人ブリッジSEに頼った為、プロジェクトに大幅な遅延が出た現場も多数あります。 しかし、実務経験を積まないと、いつまでたっても本当のブリッジSEになることはできません。
まずは、何処でも通じやすい英語(中国のエンジニアは殆ど英会話できます)、目的の現場があるならそこの言語を学んで会話力をつけるとよいでしょう。 中国企業の受け売りですが、受注側と発注側が使用する言語での会話力とコミュニケーション能力さえあれば何とかなるように思えます。